戦争を取り扱った物語を作ってみたい!

私の住む街には21時まで開館している図書館がある。

空調が行き届いていないのか、埃の匂いの混じった館内には様々な書物が保管されている。

魔女狩りが流行っていた時代の西洋書物や、一般公開の場を設けられなかった禁書。

動物の皮で誂えられた書物外装には畏怖を感じざるを得ない。

館内を照らす蛍光灯は勿論、ユーブイカット用で紫外線対策が施されている。

そんな館内で閉館時間になるまで時間を潰すことが最近多い。

読むのは決まって週刊誌や旅行雑誌だ。

分厚い事典を手に取り、ページをめくっては感心したように頷いてみせる。

傍から見れば、如何にも知識人を思わせる風貌だろうが、当の本人は本の内容を全く理解していない。

見せかけ、ナルシスト行為というやつだ。

そうやって時間を潰しているのだが、先日はふと館内奥の棚に目がいった。

【戦争】に関する本が並ぶ棚だ。

戦争とは幾度となく人類が繰り返してきた状況だ。

きっと今もどこかで行われているのだろう。何せ地球は広い。

何気なく手に取った一冊を流し読みする。

すると私が住むこのジパングでも過去に大きな戦争を経験していることが分かる記述があった。

今から70年程前…

このジパングは大日本帝国を名乗っており、欧米諸国の脅威に対抗してアジアに侵攻した。

その進軍には讃歌を、その影には沢山の犠牲を、帝国は屈境の中、猛々しく戦い続けた。

だが、杜撰な体制と限られた工業力しか持たない彼らの未来は、目に見えていた。

焦土と化した極東の大地は今…

先進国の一端として、世界に君臨している。

本に夢中になっていて気付かなかったが、隣に老人がいた。

老人はまるで自身に言い聞かせるように、でも私の目を見て言った。

「若者よ…これは禁じられたこの国の歴史。見てはならねぇ遺産さ」

私は老人に言い返した。

「それはこの国が戦争で敗戦したからですか?」

内心腹を立てたような素振りを一瞬だけ見せて、老人は平静を装ってこう言って去った。

「戦争の終結は、敗戦という言葉を使うよりも終戦…って言って欲しいものだ」

ジパングに生まれ、ジパングに生かされる身としては、この国が過去に経験した戦争というものに対し、一個人としての付き合いがあっても良いのではないか…と、ふと思った。

歴史に関してはさまざまな検証や評論が世に蔓延る今日。

誰かの手垢の付いた戦争の総括をそのまま飲むのも悪く無いのだが…

私なりにこの過去にジパングが経験した戦争をテーマに、物語としての脚色と想像を加え、

いつか一つの話を作ってみたいと思った。

この後、太平洋戦争関連の本を何冊か借りようとしたが、利用カードを忘れたので今度借りる事にした。

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